こんにちは。冷凍庫の霜取りが憂鬱なShuN(@m800st)です。
今回は古いツイートからBefore画像を発掘した万年筆の調整事例をご紹介します。数年前の写真故現在のAfter画像とは品質に差がありますがご了承ください。
※注意
筆者は調整師ではありません。あくまで個人の改造記録をアップするものであり決して自己調整を推奨するものではありません。
また内容は筆者の主観であり全てが正しいとは限りません。自己調整の一事例としてご覧ください。



今回の万年筆の入手時の状態がこちら。10号ニブが付いたPILOT CUSTOMの細字ですが、自己調整に失敗したと見られる跡があります。問題点を上げると、
・ニブがペン芯から浮いている
・ペンポイントがいびつ、また削られすぎている
・当然滑らかには書けない
・傷だらけ
などがあります。なぜこのような状態になってしまったかは不明ですが、恐らく書き味調整をしようと何か硬いものでペン先を掴んだり荒いヤスリで研磨したりしたものの悪化する一方で、にっちもさっちもいかなくなり手放したのでしょうか。
形状を細字に適したものに戻す必要がありますが、ペンポイントの根本まで削り込まれておりここまでペンポイント残量がわずかだと元の字幅のまま書き味を修復するには余裕がないと判断。そこで、スリットやペン芯との隙間などペン先の状態を適切にし、さらに極細字に研ぎ出しながら対応します。



ニブとペン芯がぴったりと合い、ペンポイントの厚み、幅が減じられているのがお分かりいただけるでしょうか。ペンポイントのまだ活かせる部分を残すように研ぎ出すことで角が立ってしまった部分を丸める余地を生み出し引っかかりを無くし、滑らかな書き味になりました。またスリットは左右が軽く接するが押し合ってはいない程度になっています。このような細字万年筆の場合、接する程度でも十分なインクフローが得られる上、はね、はらい等の描線の抑揚を美しく出すためにスリットは開きすぎないよう注意します。
細字万年筆、特に国産のものではほとんどの場合大きな面を作り込むような調整は必要なく、標準的な形状のままでも段差の解消やスリットの調整のみで不満は解消されることが多いようです。また研磨が必要な場合でもペンポイント内側のエッジを軽く落とす程度でかなりの改善が見込めます。一方今回の万年筆のように目の荒い耐水ペーパーの上で研磨してしまうと字幅が広がってしまったり筆記角度が限られすぎてしまったりと悪化させてしまう場合が多々あります。(もちろん、形を変える研磨が必要な場合やそれによってさらに書き味を向上させるケース、また机の上に置いたペーパーで仕上げる調整師さんなどもいらっしゃいますがこのあたりは高等テクニック。)
細字調整のポイントは、まずは適切なインクフローとエッジ処理。また闇雲な研磨では状態を悪化させる一方・・・と、ここまでがただの素人の独り言。信じるか信じないかはあなた次第ですが最後に一言、自己調整のご利用は計画的に。
今回は古いツイートからBefore画像を発掘した万年筆の調整事例をご紹介します。数年前の写真故現在のAfter画像とは品質に差がありますがご了承ください。
※注意
筆者は調整師ではありません。あくまで個人の改造記録をアップするものであり決して自己調整を推奨するものではありません。
また内容は筆者の主観であり全てが正しいとは限りません。自己調整の一事例としてご覧ください。



今回の万年筆の入手時の状態がこちら。10号ニブが付いたPILOT CUSTOMの細字ですが、自己調整に失敗したと見られる跡があります。問題点を上げると、
・ニブがペン芯から浮いている
・ペンポイントがいびつ、また削られすぎている
・当然滑らかには書けない
・傷だらけ
などがあります。なぜこのような状態になってしまったかは不明ですが、恐らく書き味調整をしようと何か硬いものでペン先を掴んだり荒いヤスリで研磨したりしたものの悪化する一方で、にっちもさっちもいかなくなり手放したのでしょうか。
形状を細字に適したものに戻す必要がありますが、ペンポイントの根本まで削り込まれておりここまでペンポイント残量がわずかだと元の字幅のまま書き味を修復するには余裕がないと判断。そこで、スリットやペン芯との隙間などペン先の状態を適切にし、さらに極細字に研ぎ出しながら対応します。



ニブとペン芯がぴったりと合い、ペンポイントの厚み、幅が減じられているのがお分かりいただけるでしょうか。ペンポイントのまだ活かせる部分を残すように研ぎ出すことで角が立ってしまった部分を丸める余地を生み出し引っかかりを無くし、滑らかな書き味になりました。またスリットは左右が軽く接するが押し合ってはいない程度になっています。このような細字万年筆の場合、接する程度でも十分なインクフローが得られる上、はね、はらい等の描線の抑揚を美しく出すためにスリットは開きすぎないよう注意します。
細字万年筆、特に国産のものではほとんどの場合大きな面を作り込むような調整は必要なく、標準的な形状のままでも段差の解消やスリットの調整のみで不満は解消されることが多いようです。また研磨が必要な場合でもペンポイント内側のエッジを軽く落とす程度でかなりの改善が見込めます。一方今回の万年筆のように目の荒い耐水ペーパーの上で研磨してしまうと字幅が広がってしまったり筆記角度が限られすぎてしまったりと悪化させてしまう場合が多々あります。(もちろん、形を変える研磨が必要な場合やそれによってさらに書き味を向上させるケース、また机の上に置いたペーパーで仕上げる調整師さんなどもいらっしゃいますがこのあたりは高等テクニック。)
細字調整のポイントは、まずは適切なインクフローとエッジ処理。また闇雲な研磨では状態を悪化させる一方・・・と、ここまでがただの素人の独り言。信じるか信じないかはあなた次第ですが最後に一言、自己調整のご利用は計画的に。
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